JAMCO第15回JAMCOオンライン国際シンポジウム

アメリカのテレビにみる日本のイメージ

ヘンリー・ローレンス
ボードイン大学
行政学部準教授
米国

概要

ほとんどのアメリカ人は、あきれるほど日本のことを知らない。−これが一般通念だろう。海外で起こっていることをアメリカ人が知るのは主にテレビからで、そのような番組もたまにしかなく、内容は恣意的で偏っていることが多い。テレビネットワークは熾烈な視聴率競争の中にあり、視聴者が望むものを流したがる。例えば日本が悪く見えて、それと比較してアメリカ人が気持ち良くなるような、摩擦や単純なステレオタイプを扱った内容だ。それに対し視聴者に必要なのは、日本の実際の姿を広い見地と細かなニュアンスとともに、より正確に描いた内容である。このようにしてネガティブなイメージが広がり、相互に敵意が発生して二国間関係が危うくなる。

このような考えに対して私はあえて異を唱えて、それは間違っていると言おうと思う。日本を扱ったアメリカのテレビ番組はニュース、ドキュメンタリー、ポップ・カルチャーの3つの範疇に分けられるだろう。これらのニュースやドキュメンタリーを概して見ると、重要な但し書きはあるものの、その内容は正しい前提に基づいていると言える。また、テレビ番組を調べて偏見やステレオタイプを見つけるのが容易だったとしても、より重要なのは視聴者がどう反応するかだ。実際にアメリカ人が日本をどう考えているかを調べれば、「テレビで日本がネガティブにステレオタイプ化されるため、日本に関するネガティブな考えが引き起こされる」という上記のような結論は、少なくとも証明されず、実際に多くの証拠によって否定されていることが分かるだろう。これは、米国テレビメディアによる日本の取り扱い方に大きな向上の余地があることを否定するものではない。しかし、ネガティブな、あるいは偏向したテレビイメージとネガティブな印象との間に密接な因果関係があるという考えには、疑問を呈するものとなるだろう。

アメリカのテレビにみる日本

アメリカのテレビを見て日本のことを学ぼうとしても、それが実際には無理なことが分かる。第一に、この約15年間で、ゴールデンアワーのニュースで日本が取り上げられることはまずなくなった。また、事実に基づく真剣な日本に関するドキュメンタリーもごくまれである。それらも、第二次大戦やサムライなど、おなじみのごく少数の題材に限られる傾向がある。1990年代初頭に日本の経済大国ぶりを描き、また多くの場合に嘆いた一時的狼狽は消え失せた。しかしポップ・カルチャーの分野では、子供向けアニメから「料理の鉄人」などの大人番組まで、アメリカのテレビで日本製の番組が今ほど多く放送されたことはおそらくなかった。

ニュース

インターネットの時代になっても、テレビは多くのアメリカ人にとって、外界のことを知るただ一つの大きな手がかりとなっている(注1)。残念なことに大ネットワークでは、「テロとの戦争」を除けば国際ニュースはこの15年間で着実に減ってきている(注2)。ニュースと言えばほとんど常に米国関連で、それらはセンセーショナルさを増し、多くが戦争や自然災害を内容としている。日本のニュースも例外ではない。先日の国政選挙(2005年9月11日)は日本の将来を決める重要な選挙だったが、アメリカのテレビではほとんど注目されなかった。2004年の JAMCOオンライン国際シンポジウムで詳しく講演されたように、CNNの東京支局長は、日本のレポートがアトランタの本局で採用されなかったため辞職した(注3)。彼女は自衛隊のイラク派兵について、いかに小泉首相にインタビューしたかを語った。インタビューはCNNインターナショナルでは広く放送されたが、CNN USAでは全く放送されなかった。彼女は後で、ゴールデンアワーの米国視聴者にアピールするような内容を提出するべきだったと言われた。「北東アジアに関する私の‘知識の深さ’が、CNN USAで放送するようなストーリーとしては邪魔だったというのが、私のそのレポートの大きな問題だったそうです。(注4)」

日本に関するニュースストーリーの偏向は、Harris Poll調査に定期的に反映されている。日本に関して1990年から2004年までの間に最も注目されたニュースは、中曽根首相の日本人労働者は怠け者だという発言(アメリカ人の34%が関心を持った)と、1991年の真珠湾攻撃50周年(31%が関心を持った)だった(注5)。その次に注目を浴びた二大ニュースは、地下鉄サリン事件(26%)と阪神大震災(25%)だった(注6)。株価の暴落、貿易摩擦、1990年代半ばの政治スキャンダルは、上記期間で最も注目されなかった国際ニュースに数えられる。大きな象徴的意味にもかかわらず、1991年の松下によるMCAの買収はアメリカ人の9%しか関心を持たず、1993年の政治スキャンダルはわずか6%だった。

ドキュメンタリー

日本とアメリカのメディアにおける決定的な相違は、日本の公共放送である日本放送協会(NHK)の存在だ。これはドキュメンタリーを制作するための、きわめて豊かな資金力、設備、スタッフを持ったリソースである。さらにNHKは商業的圧力を受けないため、プロデューサーは一般の視聴者には受けないかもしれない重要問題にも自由に取り組むことができる。その結果、素晴らしいドキュメンタリーが日本のゴールデンアワーでもよく見られている。アメリカの状況は大きく異なり、商業的圧力によって、真剣なドキュメンタリーの制作は忘れられた技術となった。アメリカのドキュメンタリーは大衆の好みに迎合しやすく、「パール・ハーバー」「ラスト・サムライ」などのハリウッド人気映画によって生じた興味に乗じたものも多い。商業放送では、第二次大戦のドキュメンタリーがいまだに主流の位置にある。本稿を書いている今週も、ヒストリー・チャンネルでは日本が関連するさまざまなドキュメンタリーを放送しているが、すべて内容は第二次大戦である。いつの時代でも根強いパールハーバーへの関心は、9月11日のテロ事件、真珠湾50周年、大ヒット映画の影響で2001年以降特に強まっている(注7)。自爆テロを取り扱ったドキュメンタリーでは、カミカゼ特攻隊が引き合いに出されることが多くなった。

Public Broadcasting Service(PBS)は公的資金、慈善団体、および視聴者からの寄付金で運営されている放送局であり、商業的な視聴率のプレッシャーを最も受けにくい。したがって、最も日本をより広い見地から取り上げてしかるべきだろう。しかしここでも、おなじみのテーマを超える真剣な試みはまれだ。最近のPBSドキュメンタリーの例には、第二次大戦でのフィリピン系アメリカ人部隊の役割を取り扱った「語られざる勝利(An Untold Triumph)」(2005)、ユダヤ人がナチから逃れるのを助けた日本人領事の物語「杉原−善意の陰謀(Sugihara: Conspiracy of Kindness)」(2005)、日本のフィルムによって第二次大戦を描く「カラー版日本の戦争(Japan's War in Color)」(2004)、日本の中国に対する細菌戦を詳しく取り上げたセクションがある、人為的破滅に関する「ハルマゲドンの回避(Avoiding Armageddon)」、「黒澤明監督のプロフィール」(2002)などがある。第二次大戦中の日系アメリカ人の抑留問題は、「月の兎(Rabbit in the Moon)」(1999)や初期の「待ちわびる日々(Days of Waiting)」(1990)が描いている。日本の経済や社会について多く取り上げられたのは、1990年代初頭のみだった。例えば「アメリカの鼓動(Heartbeat of America)」(1993)は、日本がジェネラルモータズにもたらした困難を記録し、「アメリカへの挑戦(Challenges to America)」シリーズ(1994)はセクション全体で日本の教育を取り上げている。

しかし、多くのドキュメンタリーの主題はステレオタイプに見えても、その内容自体は常にあるいはほとんど、決して皮相的だったりステレオタイプだったりすることはない。その多くが、単にアメリカの道徳的優越性を賛美するのでなく、戦時中のアジア人排斥差別などの複雑な倫理問題を描いている。原子爆弾を取り上げた最近の番組は特に公平に描いていた。原子爆弾によって犠牲者がどうなったかを描くのをためらわず、また犠牲者や核兵器に反対する者の意見も隠すことはなかった(注8)。「カラー版日本の戦争」では、原子爆弾の犠牲者のおぞましい姿や、武器を持たない日本人水兵をアメリカ海兵隊が射撃するのが描かれていた(注9)。最近にわかに盛んだったサムライ・ドキュメンタリーでも同じことが言える。主題はおそらくステレオタイプかもしれないが、多くは十分に調査された、洞察に富んだ作品だった。

ポップ・カルチャー

アニメ現象はよく知られている(注10)。ドラゴンボールZ、ポケモン、遊戯王はアメリカの子供たちの定番となっており、遊戯王は今アメリカで最も人気のある子供向けテレビアニメだ。また、カウボーイビバップ(Cowboy Bebop)やアダルトスイ(Adult Swim)などの大人向けシリーズは深夜の熱心なファンを獲得している。さらに日本のポップ・カルチャーは、「料理の鉄人(Iron Chef)」やおどけたゲームショーの「トリビアの泉(Hey Spring Trivia!)」、「風雲たけし城(Takeshi's Castle)」などの大人向け番組でますます見られるようになっている。もちろん、鈴木イチローや松井秀喜などの野球選手になじみが深いアメリカ人は多い。実際に、アメリカで日本の「ナショナル・クール」(National Cool)について認識が進んでいる(注11)。

しかし問題点もある。アメリカで最もクールで広く見られているテレビ番組のいくつかが日本製である一方で、一般に日本の本当の姿はそれらの中でほとんど表れていない。最も成功した輸入物でも、それらはもともと最も一般的な位置に定着するため、吹き替えや名前の付け替えなどによって、残っている日本のアイデンティティーさえ削がれてしまっている。多くのアメリカ人が、それらがどこ製かも知らないのではないかと思う。最近、小学2年生の児童たちに話す機会があり、「いま日本から戻ったばかり」と話した。彼らはぽかんとして、そわそわと居心地悪そうだった。私が「ポケモンの出身地だよ」と付け加えると、にわかに理解の笑顔が広がり、歓声が起こって7歳児のクラス全体が私の話に耳をそばだてるようになった。したがって、日本はアニメが得意だという以外に、アメリカ人がアニメから直接学ぶことがどれだけあるか疑問である。しかしこのようなトレンドが、若いアメリカ人の興味を大いに増していることは明らかだ。私の大学の日本語教師によると、次のような全国的傾向があるようだったという。つまり1980年代後半では、日本語を学ぶアメリカのティーンエージャーはビジネスを目指していた。それに対して今では、アニメが好きだから受講している学生が多いという(注12)。ほかにも、それほどは目立たないメリットもある。私が15年前に教職を始めた頃、日本語教育の話になると「でも日本語は創造的じゃないから...」というステレオタイプの答えが返ってきた。今は、そういうコメントを聞くことはない。

まとめると、日本についてニュースやドキュメンタリーからアメリカ人が学べる内容は、現状では間違っていない。実際に、多くのドキュメンタリーで日本は想像よりずっと公正に取り扱われている。しかしその内容自体が、日本の持つ多くの側面のうち、おなじみの少数だけに限られていることが非常に多い。日本の認知度はポップ・カルチャーの面で急速に増大している反面、収集される情報の種類は限られている。

日本に対するアメリカ人の態度

狭く見ると、日本に関する選択的なメディア・カバレージは、ネガティブなイメージあるいは無知の持続をもたらすように思えるかもしれない。2001年に、97%のアメリカ人が日本を「真珠湾攻撃を起こした侵略国」と認識していた(注13)。しかし日本の政治や現在の出来事に関する知識は、きわめて少ない。1989年に、竹下登の名前を聞かれて、12%のアメリカ人しか総理大臣と答えられなかった(注14)。この15年にわたって私の日本政治学のクラスの初日に、学生たちに質問をすることにしている。クラスの学生のほとんどがレベルの高い学生である。現在の総理大臣の名前を答えられた学生は20%を超えたことがなく、数字はそれよりずっと低いことが多い。今年は100人の学生のうち、15名が「小泉」と答えた。同じ質問で作家の村上春樹を知っていたのは5%で、1週間以内に国政選挙が行われることを知っていたのは10%しかいなかった。また、イラクに派兵していることを知っていたのは3割だった。

しかしここで2点を挙げて、これらのネガティブと無知について筋道を通そうと思う。第一にアメリカ人の外界に関する無知は、日本に限ったことではない。ジョン・メジャーが英国の首相であることを知っていたのは10%で、自国の副大統領の名前を言えたのさえ70%しかいなかった(注15)。

第二に、ずっと重要なことに、年々変わるとはいえ、ほとんどのアメリカ人は一般に日本のことを良く思っている。好意的な印象は、特に9月11日のテロ事件、および小泉首相がイラク戦争における「有志連合」への参加を決めて以来より顕著なものとなってきている。また1990年代を通して、日本は米国の密接な同盟国および友好国のリストでは、常にトップ近くに位置してきた。おそらく長きにわたって、より敬意を払われてきたのはカナダとイギリスしかないだろう。2005年のJapan Timesによる世論調査によれば、日本に対して「非常に好意」または「やや好意」を持つアメリカ人は81%に上った。これに対して、同様の好意をアメリカに対して持つ日本人の割合はそれよりも少なかった(68%)。また、アメリカ政府を信頼しない日本人は52%だったが、日本政府を信頼しないアメリカ人は41%しかいなかった。日本人(3%)よりもずっと多くのアメリカ人(25%)が、今後米国と日本間の関係は向上すると考えていた。また日本人(65%)よりも多くのアメリカ人(69%)が、日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りを支持した(注16)。さらに、このような顕著な差は、日本人がイラク戦争に反対であることには帰せられない。同じ調査で、イラク戦争に反対した回答者は、日本(56%)とアメリカ(55%)でほとんど変わらなかった。

最近の調査で同様の結果を示したものは他にもある。2004年のギャロップ調査では、68%のアメリカ人が日本は信頼できる良い同盟国だと答えた(注17)。ここでも、「テロとの戦争」に対する日本の支持はそれほど大きな理由を形成していない。9月11日のテロ事件以前の2000年の60%から、数字は微増しただけだからだ(注18)。他の分野でも、日本は良く見られている。2001年に、日本はアメリカ人が全世界で最も旅行に訪れたい国の第10位にランクされた(注19)。日本の生活水準に関するアメリカ人の印象は、フランス、イタリア、ドイツなどに対する印象と等しい(注20)。また過去6年間にわたって、アメリカの消費者はソニーを「ベスト・ブランド」に投票し、トヨタとホンダもトップ10に入っている(注21)。

私の学生100人に対する極めて非公式で非科学的な調査に戻ると、日本に関する連想はテレビの影響というより、日常での経験に基づいたものであることが分かる(付録参照)。日本に関して最も連想するものを3つ尋ねたところ、43%が優れたテクノロジーを挙げ、32%が寿司などの食べ物を挙げ、22%が自動車を挙げた。第二次大戦が17%でそれに続くが、原子爆弾を挙げた者(17%)が真珠湾攻撃の2倍にも上った。日本について侵略者より、犠牲者とみる印象が強かった。またアニメを挙げた学生が、伝統的なサムライ、ゲイシャ、茶会などのステレオタイプよりも多かった。同様に、最も興味あるいは敬意を感じる日本人として、小泉首相や天皇裕仁(あるいは料理の鉄人坂井)よりも、鈴木イチローおよび松井秀喜という有名野球選手が多くの票を得た。

結論

アメリカ人が多くのステレオタイプ、あるいはネガティブな日本に関するニュースに触れているにもかかわらず、その日本に対する全体的印象や連想するものが、全世界の他国に相対して非常に好意的なのはなぜだろうか。これに対して、私は4つの理由を示すことにする。

第一に、アメリカ人は単にテレビで見ることをすべては信用しない。メディアに対する信頼度は急落してきている(注22)。テレビへの信頼度は58%から22%に下がった(注23)。アメリカで唯一最も信頼されている放送局であるCNNを「常にあるいはほとんど」信用しているのは、視聴者の32%(注24)に過ぎなかった。

第二に、日本のポップ・カルチャーのグローバル化が、偏ったニュースが引き起こすネガティブな印象を凌いでいることが考えられる。

第三に、人々は、日本に関する印象を広範で多様な情報源から形成する。アメリカ人はスシを好み、日本の自動車を買い、日本製のテレビを見て日本人の野球選手に声援を送っている。

最後に、メディアによる情報操作は(肯定的にも否定的にも)、根本的現実を不鮮明にしたり歪ませたりするだけのものでしかないことを念頭に置く必要がある。多くのアメリカ人は、非難するものがあるだけでなく、好んだり賞賛するものがあるから、日本に好意を持ち高評価する。日本が今まで良き友人で同盟国であったからこそ、アメリカ人は日本を良い友人で同盟国と見なしている。また、真珠湾攻撃をはっきりと覚えているのと同じくらい、この出来事が現在の日本を決めつけるものでないことも理解している。結局は、態度が現実を反映している。

米国テレビの日本報道は影響されるか

今回のJAMCOオンライン国際シンポジウムでの2つの主要議題は、(1) アメリカのテレビは日本に対するステレオタイプ化や不信感を促進しているか? (2) 誤解やネガティブに偏向したイメージがなくならないなら、それに対する対策は?というものだった。最初の問題に対して、私は慎重な「ノー」を示した。相互理解の促進に携わる私たちがどう進むべきかについても、私は同様に慎重でいることを提案する。この慎重さは、人々の考えがテレビのチャンネルを変えるのと同じくらい簡単に変わるということに対する、私の疑念をもとにしている。アメリカに15年暮らしているイギリス人として、私はイギリスについてのステレオタイプや誤解があふれていることを証言できる。膨大な文化交流、共通の言語、それに米国の放送が英国の、および英国に関するテレビ番組で満ちていることをもってしても。

私はこの問題が、日本からの公的に裁可され制作された番組によって左右できるとは考えない。それはプロパガンダのように受け取られ、また非常に限られた視聴者にしか届かないだろう。中東で米国のイメージを向上させようとした米国政府によるテレビ局アルフーラ(al-Hurra)の試みは高価な失敗に終わった。いずれにせよ、「誤解を招く」「ネガティブな」取り上げ方を探すのは簡単な一方で、より「正確で」「ポジティブな」イメージがどのようなものか仮定することさえ、それほど簡単なことではない。とりわけそれは、これらが常に両立するものではなく、またそれらの問題に関し日本国内でも深く議論されているからだ。例えば、日本での女性の政治的役割はどう取り上げられるべきか?従軍慰安婦への補償を要求している日本のNGOに関するニュースやドキュメンタリーは、政府による法的責任の拒否や「新しい歴史教科書をつくる会」を取り上げることと比べて、どちらがアメリカ人の目に対して「誤解を招き」「ネガティブ」だろうか? NHKのドキュメンタリー「戦争をどう裁くか」に関する最近の論議は、すべての当事者が満足するような、ただ1つの「正しい」方法でストーリーをカバーするのは不可能なことを示している。

したがって私は、アメリカのマスメディアを改善するような不可能な試みはしないようにアドバイスする。これは多くのアメリカ人にとってさえかなわぬことが証明されている。その代わり事実のなすがままにして、政治的、経済的、社会的、文化的に多様な日本の長所や欠点が、自らを語るがままにしておけばよい。

付録

日本について連想することを3つ挙げると?
テクノロジー/エレクトロニクス43%
寿司32%
自動車22%
原子爆弾/広島/長崎17%
第二次大戦17%
経済/ビジネス16%
アニメ/テレビゲーム12%
侍9%
真珠湾8%
相撲/武道5%
芸者3%

興味や敬意を感じる日本人を3人挙げると?
鈴木一朗17%
松井秀喜11%
小泉純一郎6%
裕仁天皇4%
料理の鉄人坂井3%
黒澤明2%

一般知識
正しい答えの割合:
日本の総理大臣の名前
(正解:小泉純一郎または小泉)15%
村上春樹は誰
(正解:作家)5%
次の国政選挙は
(正解:9月11日、来週、すぐ)10%
日本はイラクに派兵しているか
(正解:している)27%

(質問は2005年9月2日に、メイン州ブランズウィック、ボードイン大学の100名の学生に対して行った。)


  1. Harris Poll 2004 No. 35 (5月19日)
  2. Ken Auletta "Battle Stations: How long will networks stick with the news?" The New Yorker、2001年12月10日
  3. レベッカ・マッキノン「アメリカのグローバルテレビの優先順位」第14回JAMCOオンライン国際シンポジウム
  4. 同上。Rebecca MacKinnon "The World Wide Conversation" Shorenstein Center for People and the Press Working Paper 2004-2も参照。
  5. Potomac Associates "Americans Look at Asia" (Luce Foundation Project) 1999年
  6. Pew News Index
  7. Emily Rosenberg "9/11 Through the Prism of Pearl Harbor" Chronicle of Higher Education、2003年12月5日
  8. これは、自己検閲や政治による直接の圧力がアメリカに無いことを言うのではない。Henry Laurence "Censorship at NHK and PBS" Japan Policy Research Institute Critique(2005年4月)を参照。<www.jpri.org>で入手可能。
  9. Ted Mahar "Japanese Color Footage of WW2 is Scarce" The Oregonian、2004年7月7日
  10. 詳細な統計はJETRO "Japan Animation Industry Trends" Japan Economic Monthly(2005年6月)を参照。
  11. 例えばDouglas McCray "Japan's Gross National Cool" Foreign Policy(2002年5〜6月)、"Is Japanese Style Taking Over the World?" Business Week(2004年7月26日)を参照。
  12. Anthony Faiola "Japan's Empire of Cool" Washington Post(2003年12月27日)も参照。
  13. Harris Poll 2001 No.31(8月10日)
  14. Pew Research Center for People and the Press "The Press Index" (1997年5月)
  15. 同上
  16. "52% of Japanese Don't Trust U.S. Government." The Japan Times Online、2005年7月24日
  17. 外務省委託による "The Image of Japan in the United States: 2004" Gallup Poll Survey、次のサイトで入手可能:<http://www.mofa.go.jp/region/n-america/us/survey/summary2004.html>
  18. 同じ調査で日本に好意を持つアメリカ人は47%で、良くない印象を持つ者は7%しかいなかった。同上。
  19. Harris Poll 2001 No. 3
  20. Harris Poll(R) No.56 (2004年8月4日)
  21. Harris Poll 2005 No. 60 (2005年8月)
  22. David Jones "Why Americans Don't Trust the Media" Harvard International Journal of Press and Politics Vol. 9 No. 2、2004年春
  23. Harris Poll 2005 No. 4 (1月13日)
  24. Pew Research Center"News Audiences Increasingly Politicized"、2004年6月8日

プロフィール

ヘンリー・ローレンス(Henry Laurence)
米国メイン州ボードイン大学行政学部 準教授。最近の研究にBBC、PBS、NHKの比較がある。著書には"Money Rules: the New Politics of Finance in Britain and Japan"(2001年、Cornell University Press)があり、また公共放送と衛星テレビに関する経済・政治学論文を発表した。ハーバード大学で博士号を取得し、2000年度安倍フェロー。