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JAMCO オンライン国際シンポジウム

第16回 JAMCOオンライン国際シンポジウム

2007年1月~3月

テレビで形成される外国のイメージ~中国、韓国、日本

閉会にあたって

荻野 崇一郎
(財)放送番組国際交流センター 交流推進部長

ハリウッド映画の銀幕には米国大衆の夢(そして恐れも)が映し出されていると言われます。世界中どこへ行っても現地の美女やエギゾティックな王子様の愛を勝ち得るのは、タフなアメリカ男かおきゃんなアメリカ娘といつも決まっています。地球外生物は、米国人が外国に対してオープンで友好的である時代には愛すべき存在として描かれますが、米軍兵士が世界のどこかで敵と戦っている時には身の毛もよだつ怪物に豹変してしまいます。

映画は、時に歴史を書き換えてしまうことさえしでかします。正義感溢れる女医さんがアメリカ先住民と血気にはやるガンマン達の間に割って入り、大西部に平和と調和をもたらすなんて類の話は、50年代に作られたジョン・ウェインの西部劇を知る者にとっては違和感を覚えるだけです。この手の映画は、時代劇の衣装で変装した現代の作り話以上でも以下でもないのですが、観客は実際に起きた史実と信じ込んでしまうことが多いのです。

同じ意味で、テレビも社会の大衆の意識下の欲望と恐怖心を映し出していると言えるでしょう。テレビは視聴者が見たがるものを見せるのだとする見方があります。逆に、テレビが人々の考え方を形作るのだとする見方もあります。多分、これは単純な一方通行のプロセスなのではなく、相互に絡み合った双方向のプロセスであるのが真実なのでしょう。

日本人は海外で自分たちがどのように見られているかについて自意識過剰であると言われます。ですから、昨年のJAMCOシンポジウムが諸外国のテレビで日本人がどう描かれているかに焦点を合わせたのは自然な成り行きでした。それは、謂わば「考察の対象とした一つ一つの国と日本の二国関係」を特集したようなものでした。

他方、日本では、他国の大衆がどのような国々にどのような関心を向けているかという問題意識は希薄であるように思われます。今年は、そのような問題意識を持って、日本・中国・韓国の大衆が其々どのような国にどのような関心を向けているのかという点に眼を向けてみることにしました。この試みが3国の常民が其々日常的に知覚している国際関係を理解する一助となればと願う次第であります。

今回は、考察の対象となる3カ国で活躍するメディア研究者から其々興味深い現地報告をいただきました。また、それぞれの現地報告に対して気鋭の討議者に的確な考察を加えていただきました。永らく国際文化交流に従事してきた私にとっても教えられる点が多々ありました。とりわけ、Mr. Beanが中国の人々にも愛されているなんて、日本のMr. Beanファンの草分けを自認する私にとっては望外の喜びでした。

本シンポジウムは、独立行政法人国際交流基金と財団法人放送文化基金の助成を得て実現したものです。加えて、外務省・総務省・日本放送協会、及び全日本民放連からも暖かいご支援を戴きました。この場を借りて、関係各位に厚く感謝申し上げます。

荻野 崇一郎

(財)放送番組国際交流センター 交流推進部長

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